<一筆>DXに“開眼”(新聞連載コラム#05)
<熊本日日新聞 | 2023年2月7日>
ヒサノは仕事の受注や配車、運送料金の請求、倉庫管理、給与計算などにITシステムを利用しています。自社開発もあればサブスクリプション(定額利用)もありますが、いずれもクラウド上で稼働するシステムという共通点があります。熊本地震の際に自社にサーバーを設置していた企業が、被災して貴重な業務データを失ったと聞いて以来、クラウドシステムを積極的に活用しています。
当社の配車業務のデジタル化が2022年の「中小企業白書」に取り上げられました。そのため、ITに理解の深い経営者だと思われることもありますが、実際はそんな格好良いものではありません。以前の私は、ITベンダーと話をしても、話がFAXの「ピーヒャラヒャラ」と鳴る音と同じようにしか聞こえず、何を言っているかさっぱり理解できませんでした。
しかし19年に、あるITセミナーに妻と2人で参加したことが大きな転機になりました。後に当社のデジタルトランスフォーメーション(DX)を伴走支援するITコーディネーターの中尾克代さんが講師を担当されました。社内全体の業務の「全体最適化」を意識しながらIT化を推進し、最終的には自社のビジネスモデルの改革につなげていく。中尾さんは、中小企業が目指すべきDXの方向性を明確に示してくれました。
ITに関心を持てない私の目がパチッと開き、当社のDXの道筋が見えたような気がしました。ITが苦手な方も重い腰を上げて、自治体などが主催するDXセミナーに気軽に参加してみませんか。
本記事は、2023年1月~3月にかけて熊本県の地方紙「熊本日日新聞」に連載された弊社社長のコラムをアーカイブとして掲載しております。