<一筆>伴走支援の必要性(新聞連載コラム#06)
<熊本日日新聞 | 2023年2月14日>
2022年の「中小企業白書」は、不確実性が高い時代において経営者自らが自己変革を進めていくためには、自社の経営課題は何なのかについての正確な分析から入らなければならないと指摘しています。また、経営者が経営課題を設定したり課題解決策を検討したりする際は、第三者による伴走支援が必要としています。
ヒサノの社内業務IT化の伴走支援は、前回ご紹介したITコーディネーターの中尾克代さんにお願いしました。中尾さんは社員インタビューを何度も実施し、受発注業務のプロセスをフローチャートに図示して、業務の「見える化」の重要性をわれわれに教えてくれました。
ITコーディネータ協会の澁谷裕以[ひろゆき]前会長も支援に加わり、受注・配車システムの要件定義や契約書の作成、ものづくり補助金の申請による財源確保を進めました。伴走支援のおかげで、ITが苦手だった私もDX推進の重要性を理解し腹落ちすることができました。
19年には会社に米マイクロソフト社のサービス「マイクロソフト365」を導入することを決定。今では、私自身も主要なコンテンツを使えるようになりました。クラウドやセキュリティーの打ち合わせの際も、専門家やベンダーと支障なく意思疎通できます。
自ら経験して気付いた事ですが、経営者が社内のIT化を部下や外部の専門家に丸投げすることは絶対に避けるべきです。ITの整備には多額の投資が必要です。経営者がプロジェクトに深く関わるか否かで、成否が分かれると思います。
本記事は、2023年1月~3月にかけて熊本県の地方紙「熊本日日新聞」に連載された弊社社長のコラムをアーカイブとして掲載しております。